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土曜日のアジアカップサッカー準々決勝ヨルダン戦【1−1】の同点のままPK戦に突入した。コイントスの末日本は先行に、ここで、サッカー小僧の次男坊は「勝てた!」と思ったという。後で蹴る方のプレッシャーは計り知れないものがあるというのだ。
しかし蓋を開けてみるといきなり中村選手、サントス選手の枠を大きく外す失敗、これは左利きの彼ら2人の軸足部分の芝生が状態が悪く軸足がすべったせいだと解説者は言っていたが、やはりプレッシャーのなせる業も少なからずあったのだろう。そこで、キャプテン宮本選手は審判に詰め寄りゴールを反対側に変えるように要求する。この申し入れが通りゴールは芝生の状態のいい反対側に移る。前代未聞の処置だ。放送で見ていると宮本キャプテンはそれでも審判に指を2本立てて何か申し入れていた。想像だが多分失敗した日本の二回のキックも白紙に戻せ、と言うものではなかったのか。審判はがんとして聞き入れなかった。この時点で日本は2人失敗、ヨルダンは1人成功の絶対的にヨルダン有利で再開、すぐ後のキックもヨルダンは決めて絶体絶命。さすがの次男坊もこの時は諦め顔だった。
奇跡はそのキックをヨルダンの選手が決めればヨルダンの勝ちという瞬間に起こった。後攻であるためのプレッシャーからかキーパー川口の技術が勝ったのか川口選手がPKを止める。日本の首は繋がった。次を決めたがまだ状況は絶体絶命。また決まれば負けの状態で川口選手の奇跡のセーブ。この時点で神がかりだった。ここでイーブンに戻した日本。サドンデスに突入、やおら色めく吾輩と次男坊。祈るような気持ちで応援していた。ところがここで日本選手が失敗。またもやがけっぷちの状態で川口選手頼み。今度は反対側にとび片手一本でボールをはじく。止めた、またもや止めてくれた。
ここでキッカーが決めてやらなければキーパー川口がかわいそうじゃないか、祈る気持ちでゴールに吸い込まれるボールを確認する。PK戦になり始めての先手。さぁ、守護神川口よ、止めてくれ。止めれば勝ちだ。
神風は吹いた。敵の放ったシュートは無常にもバーを直撃し真っ直ぐ跳ね返る。日本代表キーパーで4本連続でPKを阻止したキーパーがいただろうか。鳥肌が立った。叫んでいた。奇跡をありがとうと。
精神的プレッシャーの恐ろしさ。そして精神集中力のすばらしさを一度に見せてもらった。