14葬儀を終えて
家族で落ち着いて話し始める。義父は亡くなる日の夜中にお腹が痛いと言って苦しみながらトイレに行き、そのままトイレで意識が無くなっていたと言う。全員の顔が一点を見つめる、そうだ火葬場でのベテラン係り員の話だ、お骨のお腹の辺りを指してここが悪かったんだなとしみじみと語っていた、という事は昔からお腹が悪かったのか、そんなはずはない、若い主治医からは心臓が原因だとしか聞いていない、それよりもなによりも、誤診すらするはずがない、義父は、義父自信が医者だったのだから。
全て知っていたのだろうか、自分の病のことを全てわかって隠していたのだろうか、逆に隠されて知らずに死んでいくのなら当人にとっては幸せかもしれないが、もしも病を自分だけで隠し通し天命を全うしたとするならば、その考えが頭をよぎる。
何れにせよ、残された我々には辛さ以上に今は亡き義父の偉大さに驚愕させられるばかりだった。
<合掌>