先ず、いなくなるという意味を書いておかなければなるまい。家出という意味ではない、事故または病でこの世からいなくなる、つまり吾輩が死亡すると仮定して「いなくなった時、この世に残されたものに何を願うのだろうか」遺書等という形式ばったものではなく、日頃雑談程度で冗談にもならない話を少し真面目な気持ちで書きとめておこうと思うのである。
一度5年前に心筋梗塞でこの世から抹消されかけた事のある吾輩である、あの時はさすがに病床にて色々と考える事ができた。しかし、いざその時に考えたのはもっと生きていたい、これがしたい、あれがしたい、生への執着だった様にしか思いだされない。
考える力が残っている間に考えようと努力してみるのだけれども、答えは簡単な事のはずなのに、なかなかまとまらない。どうもこの分野に関しても意気地なしのようだ。

<続く>