9告別式
背もたれのある椅子を用意していただき、気丈にも義母は告別式に参列した。難関であった喪主の焼香もきちんとこなした。しかし喪主は焼香が済むと立礼に向かうように係りが誘導するのだが、あまりにも疲れていたため席に戻ってしまった。続いて長女次女は焼香を済ませて立礼に向かう。私の焼香番の時、係りから目配せがあり私が前に立つ事になった。実はこれは大変な作業だった。焼香を終えた参列者のお顔を確かめてお礼をする、次々お辞儀又お辞儀、腰をかばいながら感謝を込めて頭を下げた。
そしてお焼香も終わり、参列者に向かい喪主の挨拶とのアナウンス、そこは機転を利かせて、担当の方が簡単な挨拶を代わりに行ってくれた。しかし後で考えるに例え簡単でもいいから自分の口からお礼の言葉を述べて於いたらよかったと悔やんだのだった。