思い残す事といっても、自分がこうあればよかったこうすればよかったと思う事を挙げるつもりは全く無い。勿論過去をふりかえると沢山あったがその時点で納得をしこれでよかったと思うように生きてきたつもりだ。それは過ぎ去った事柄への悔やみでは無く、自分の汚点への反省でありこれからを生きる為の気持ちの整理である。
吾輩の思い残す事は、残されたものの未来であり、その未来が明るく幸せなものであれとの願いばかりである。
これまで生きて来れて幸せだった、又同じ伴侶にめぐり合い同じ子供たちに恵まれ、また同じ人生を歩みたいものだと痛感する。
今更ではあるが、吾輩はこれからも永く永く生きていたい。しかしいなくなったその時には、この世に思い残す事としてその全てを家族にささげる。
吾輩の一念は残された家族の幸せそのものだから。

<完>